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人生の夏休み

Seminar by Mary McLeod

3/18(木)

今日明日とベルラーヘPhDのセミナーが開催される。今日のゲストはコロンビア大学の建築歴史家Mary McLeod 。彼女はル・コルビュジェの1930年前後の作品を通じて建築家と政治的、社会的関係性についの話をした。主な内容は、

1930年を前後して変化を見せたル・コルビュジェ作品の形態について。

1931年にル・コルビュジが出版した雑誌"PLANS"について。
  
1930年代にアルジェリアの首都アルジェに対して提案した都市計画案について。

等など。

*  *  *

歴史的な建築を見る際には、そのリプリゼンテーションやデザインといった表面的な印象を越えて、時代背景を理解し当時の文脈の中において、そのプロジェクトがどのような批評的な意味を持っていたのかを考えることが大切だと強く感じた。

1930年代の当時もそうだし今でも変わらないと思うが、有名な建築家の多くは大学で教えていることが多い。教育を通じて自身の考えを後世に伝えようとしている。

しかしル・コルビュジェはそういった種類の建築家ではない。教育よりもむしろ出版に力を入れた。幾つかの雑誌を刊行しメディアを通じて彼の建築家としてのアイディアを世に示した。

"PLANS"をはじめとする彼が出版した雑誌は一体どんな層の読者を獲得していたのだろうか?おそらく建築学生だけにとどまらない影響があったのだろう。ル・コルビュジェは社会全体に対しての影響力を獲得したかったのだと思う。

雑誌を通じて彼が主張しようとした内容とそれが一体どのように受け止められたのかという点をもっと知りたいと思った。

雑誌、本の内容自体は多く分析される。そして現在でもその内容に触れることができる。しかし1930年代という時代背景におけるその雑誌の受け取られ方と、2010年という時代背景での解釈では大きな隔たりがあると思う。

おそらく時代背景を理解するということは、何かを読むときにその内容と同等以上に大切なことになるのだろう。

Seminar by Mary McLeod _c0176478_22344763.jpg



by murakuni75 | 2010-03-21 22:31
オランダ・ロッテルダムにて都市と建築について考え中
by murakuni75

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