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人生の夏休み

新ブログ

卒業、そしてインターンを機にブログを新しく開設しました。

35歳のインターン」今後ともどうぞ宜しくお願いします。



# by murakuni75 | 2010-07-20 06:50

エピローグ

どういう縁なのかわからないが、ベルラーヘを卒業してから半年間オランダ、ロッテルダムにてインターンシップをするチャンスを得ることができた。

行き先はオランダを代表する設計事務所、
Office for Metropolitan Architecture (OMA)。

OMAについてはこのブログでも何度もコンペ案や本について触れてきたが、まさか自分自身メンバーの一員としてOMAに参加することになるとは想像さえしていなかった。

OMAは非常に忙しく厳しい労働環境だということでも有名。誰もが一度は行ってみたいと思う反面、あまりの厳しさのため絶対に行きたくないという声もよく聞く。

とても不思議な経緯でインターンが決まった。何社が出願をしていたのだが、たまたま数日前にOMAのホームページが新しくなりネット経由で応募できたので資料を送った。

インタビューの声がかかりせめて事務所の中だけでも見てみたいという軽い気持ちで出かける。人事面接の後、話をしたプロジェクトリーダーが東京に交換留学経験のある方で日本人への理解と関心が高く話がとても盛り上がった。さらに、最後に雑談でリゾートのリサーチ話をしたところ彼の修士論文の内容との共通点が多々ありその話で非常に盛り上がった。などなど非常に運良く話しがまとまった。

しかし、家族を支えるためには十分な収入が得られない。
インターンを諦めて仕事を探そうと家族で何度も話し合ったこともあったが、二度と無いチャンス。オランダでの勉強を締めくくる意味でやってみたらいいのでは無いかと背中をおしてくれたのは家族だった。まいちゃんともかは日本に帰り半年間単身で生活をする。こんなわがままな夫であり父である僕を信じてくれる家族に心から感謝をしたい。

OMAの厳しい環境で、ベルラーヘのプロジェクトの最後で弱さを露呈した自分がどこまで機能するのかはわからない。でも考えても仕方が無い。できるだけのことをやってみたいと思う。

*  *  *

仕事の内容は、ブログ等で発信できるものでは無いと思うが、せめて今後の生活については別のブログで日々綴って生きたいと思う。

これまでこのブログを読んでくれた皆さん、そして僕らの留学生活を応援をしてくれた皆さんどうもありがとうございます。そして、大変な生活を支えてくれた家族の皆本当にどうもありがとう。

これからもどうぞよろしくお願いします。

エピローグ_c0176478_22351857.jpg



# by murakuni75 | 2010-07-14 22:20

Environments of Collectivity

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Environments of Collectivity _c0176478_21344970.jpg



# by murakuni75 | 2010-07-14 21:44

グラデュエーション

7/7(水)

今日の午前中は三つ目のスタジオのプレゼンテーションが行われ、夕方からはグラデュエーションセレモニー。

プレゼンテーションには参加せずに家族で市役所に行き諸手続きを行う。

*  *  *

いろいろ考えた挙句、グラデュエーションセレモニーには出席しなかった。これまで二年間一緒に机を並べてディスカッションを繰り返した皆と一緒に笑いながらセレモニーに出席しありがとうと感謝の気持ちを述べるべきだったかもしれない。でもできなかった。

スタジオの最後で僕自身、そしてチューターのオラフも納得の行かないような中途半端なプロジェクトしかまとめられなかった中、笑ってセレモニーに出席できるほど楽観的になれなかった。

過程を終えれば、皆が勝者であるようなグラデュエーションセレモニーへの違和感が、行って皆にありがとうと言わなければという気持ちを上回った。

スタジオメンバーの皆、そして二年間のベルラーヘ生活の中沢山のことを教えてくれたスタッフ、チューターそして学生の皆さん本当にどうもありがとう。これからの人生にてこのベルラーヘので勉強がステップとなり少しでも多くの人が活躍する日が来ることを祈っています。

グラデュエーション_c0176478_2162115.jpg



# by murakuni75 | 2010-07-14 21:18

ファイナルプレゼンテーション

7/6(火)

いよいよこの日がやってきた。今日はファイナルプレゼンテーション。午前中はベルリンスタジオによるプレゼンテーションが行われ、僕等のスタジオは午後から。

結果的に言うとこのスタジオは大失敗に終わったスタジオだったと思う。僕個人のスタジオに対する貢献度にしてもそうだし、僕以外のメンバーのそれぞれの良さが十分には発揮されないとてもフラストレーションの溜まるスタジオだった。

チュターのオラフが求めていたことは皆程度の差こそあれコンセプチャルには理解できていたのだが、それを実際のプロジェクトとしてまとめる際に大きな誤訳が生じていた。

もちろんジュリーにはこの失敗は隠し切れない。アムステルダムのオリンピック誘致委員の方々も混乱と動揺を隠せない様子だったし、スポンサーとしてスタジオ前半に僕等をチュニジアやモロッコのリゾートに招待してくれた、クラブメッドの建築部門のトップも期待はずれだとはっきり言ってくれた。

ベルラーヘのスタッフからも、スタジオのブリーフに対する十分なディスカッションが学生とチューターとの間でなされていないのではないか?などなど厳しいクリティックが多数寄せられた。

ディレクターのヴィドランは、苦し紛れにとても難しい大きな課題にチャレンジしたスタジオだったと結果そのものよりも挑戦そのものを評価するコメントで締めくくった。

このスタジオはいろいろな面で不運も重なり最後までまとまることの無いスタジオとなってしまった。とても残念だけどそれが現実であり受け入れなければならない。

*  *  *

とても辛いことだけれどこのスタジオを通じて、自分の弱さがいやという程身に染みて解かった。

特に最後の二週間、一緒にプロジェクトをまとめていたタミーとの意見の食い違いそしてお互いがお互いを信じられない人間関係の問題で苦しんだ。しかしそれは表面的な問題であり、本当の問題は僕自身のプロジェクトをドライブする力の弱さにあるのだと思う。タミーの性格の問題ももちろんあるし、オラフの要求することの曖昧さなどもあるけれども、それを言い訳にはできない。上手くいかなかったのは自分の弱さが根本にあるからなのだろう。

最後にクラブメッドからの方からもらったコメントが心に引っかかっている。

「私はこのスタジオの目的はリゾートのリサーチを通じて学んだことを都市に持ち帰ってくることだと解釈していた。我々クラブメッドは人が幸せを感じられる環境を提供するために全ての努力をしている。あなた達がクラブメッドのリゾートをリサーチし、都市のプロトタイプをデザインすることでその都市にどれだけの幸せな環境が生まれているかという点を今日は見たかった。しかし全てのプロジェクトにそう感じさせる要素は見られなかった。」

都市をデザインするということは、機能を整理するということでも無いし、何か難しいことを言うためでも無い。多くの人が生活をしている環境にどうやって幸せを感じられる環境を提供できるか?が建築家がデザインをするということなのだ。

クラブメッドのリゾートは熱帯、亜熱帯と言った都市から離れた環境でそれを実現している。しかし近い将来、リゾートに見られるリクリエーションという行為を都市の生活の一部として取り戻すというのがこのスタジオの一つ目の目標だった。それはすなわち都市に幸せを感じられる環境をデザインするということだった。

この一年間のスタジオの挑戦でそれを実現することはできなかった。でもこの馬鹿みたいに単純な目標は、都市がそうであったら自分自身でも望ましいと思える目標だ。それは人が住む環境として根本的なことであるように思う。

スタジオそしてベルラーヘでの全過程が終了した。
今は一体自分がどれだけ何を得たのか解からない。
何をできるようになったのかもわからない。

でも、とにかく苦しみながらも未熟ながらも全ての過程が過ぎ去っていった。


ファイナルプレゼンテーション_c0176478_204745.jpg



# by murakuni75 | 2010-07-14 21:00
オランダ・ロッテルダムにて都市と建築について考え中
by murakuni75

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